
〜「生はちみつ」、「非加熱はちみつ」とは?〜
最近、「生はちみつ」や「非加熱はちみつ」
という言葉をよく見かけるようになりました。
なんとなく「体に良さそう」「自然な感じがする」と思われる方も多いのではないでしょうか。
ただ実は、日本ではこの「生」や「非加熱」という言葉に明確な定義はありません。
例えば「非加熱はちみつ」と書かれていても、
どこまでの温度ならOKなのか、
どこからが加熱なのかという基準は決まっていません。
そのため、同じ“非加熱”でも作り手によって考え方や処理方法はさまざまです。
これは日本だけでなく、海外でも同様です。
国際的な規格(Codexなど)では、
はちみつの品質は「成分」や「鮮度(酵素活性やHMFなど)」で管理されており、
「生」や「非加熱」という表示自体の明確な基準は設けられていません。
そもそも、はちみつは瓶詰めやろ過の工程で多少温めることが一般的です。
まったく熱をかけずに製品化するのは、実はなかなか難しいのが現実です。
さらに言うと、ミツバチは巣の中で約35℃前後の体温・環境を保っています。
つまり、はちみつはもともとその温度帯の中で作られているもの。
そう考えると「非加熱」という言葉自体、少しイメージ先行な表現とも言えます。
辻養蜂場では、はちみつを扱う際に45℃程度でゆっくりと温めてから充填しています。
これは風味や扱いやすさを保ちながら、
品質への影響を最小限に抑えるためにこの温度にしています。
一般的に60℃以上になると、
はちみつ本来の風味に影響が出やすいとされているため、温度管理には特に注意しています。
大事なのは
「生はちみつ」や「非加熱」かどうかという言葉だけではなく、
どのように、はちみつが採れてどのようにミツバチが扱われてきているのかだと考えます。
そういった背景を知ることで、はちみつの見え方はぐっと変わります。
言葉のイメージだけにとらわれず、
“中身”や“作り手の考え方”にも目を向けてもらえると嬉しいです。
